相加平均と相乗平均の差【1997年度 滋賀大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x \gt 0\) , \(y \gt 0\) のとき相加平均と相乗平均の関係 \(\displaystyle \frac{x+y}{2} \geq \sqrt{xy}\) は基本中の基本ですが、この相加平均と相乗平均の誤差について考えていく問題です。 結論が示されている証明形式であるため、問題を解くこと自体は標準的な難易度です。 まずは例題でウォーミングアップをして、同じテーマを扱ってはいますがより手ごわい類題にもチャレンジしてみてく ...
sin∞タイプの極限【1995年度 埼玉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sin{\infty}\) という一見収束しないように見える形の極限値を求める問題です。 結果的にこの極限が収束するというのは、感覚的に不思議な感じがします。 本問は適切な誘導があるために、完答するのもそこまで無理な話ではありません。 しかし、ノーヒントだと多くの人がアタフタして終わりということになりかねないでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ひとまず、目がチカチカする ...
確率と区分求積法【2019年度 兵庫県立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率の問題をベースに、極限計算の運用を見る問題です。 ひとまずは確率そのものを計算できるかどうかという部分が問われます。 ひとたび確率が計算出来たら、今度は数学Ⅲの極限の話題です。 一問で様々な基本を試す標準的な問題で、難関大受験生にとってはこういうレベルの問題をキッチリと確保したいところです。 (以下ネタバレ注 ...
円を折り返した折り目の存在範囲【1992年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円を折り返したときの折り目の存在範囲を考える問題です。 シンプルな題意ですが、解き進めていくといくつかの上級テーマが次から次へと襲い掛かってくるため、完答するためにはそれらを払いのけるだけの確固たる力が必要です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標の設定 まずは座標の設定です。 自然に設定するとしたら \(\mathrm{A}\)\((-1 \ , \ 0)\) , \(\mathrm{B}\)\((1 \ , ...
絶対値に関する従属2変数関数【2009年度 群馬大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 絶対値に関する従属2変数関数の最大最小問題です。 従属2変数関数については などで色々取り扱ってはいます。 これまで身につけたノウハウがきちんと通用するかを確認するとともに、手薄になりがちな手法も確認する目的として演習していただければと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 従属2変数関数の扱いの基本 従属2変数関数に関しては 文字消去 ということを狙うのがまずは第一です。 2変数関数から文字が消 ...
累乗根と大小比較【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 5乗根に関する数の大小比較の問題です。 目に付いた特徴によって様々な解法が考えられるあたりが面白いところです。 結論自体に辿り着くことは決して難しくはないので、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 結論の予想 あたりをつけるために、\(n=1\) としてみると \(a=\sqrt[5]{2}-1\) , \(b=1\) , \(c=\displaystyle \frac{1}{5}\ ...
整数値多項式【整数を代入したら整数が返ってくる多項式】【2013年度 中央大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数を代入したら、整数の値が返ってくるような多項式について扱います。 以下では便宜上、類題2で名付けられている 整数値多項式 という名称で以下呼ばせていただきます。 ここで扱うのは多項式の有名な性質の1つであり、しばしばネタにされる話題です。 色々訊かれることはありますが、その中で今回の話題を学ぶにあたり素直に訊 ...
等差中項に関する論証【2005年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等差中項に関する論証問題です。 本問はヒントなんだけど、ヒントになりすぎない絶妙な誘導が付いており、入試問題としてはよく練られた設計です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 一般に \(a\) , \(b\) , \(c\) がこの順に等差数列である \(2b=a+c\) ということは同値 ということが言えます。 このとき、\(b\) を \(a\) , \(c\) の等差中項と言います。 ...
2進法の位取り【1未満の数の2進法表示】【2002年度 静岡大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目に腰がひけてしまうかもしれませんが、根幹が押さえられればあっさりと終わります。 訊かれていることを表面上だけでなく、さらに踏み込んで解釈できればやるべきことが見えてくるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 10進法なら 例えば \(k=1 \ , \ 2 \ , \ 3 \ , \ 4\) に対して \(a_{k}\) が \(0 \ , \ 1 \ , \ , \ 2 \ , \ \cdots 9\) ...
2項間不等式【2003年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2項間漸化式ならぬ2項間不等式です。 本問で扱う2項間の関係は「不等式」であり、数列 \(\{a_{n}\}\) を具体的に定めていく規則性のある等式ではありません。 そのあたりの言われれば当然のことをしっかりと意識しているかで偶然解けるか、必然的に解けるかが分かれるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ホントかよという気持ち もちろん、問題文で言われている主張は本当なのですが、 \(a_{n+1} \gt ...