有理数に関する論証【うまい見方と、見れなかった場合のリカバリー】【2016年度 三重大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有理数、無理数に関する論証は、証明問題であれば結果が分かっているのですが、真偽から判定させるような問題であると判断ミス一つで証明も反例も出せなくなります。 基本的には疑ってかかりましょう。 指導していて思うことですが、単元学習の段階だと、反例を出す力が乏しい人が目立ちます。 有名な反例については一通り経験しておくことが大切です。 「だってこういうことだってあるかもしれないよ」 という力は、もっと言えば「意地悪力」です。 基本的に ...
合成写像と定数関数【膨らむfへの対応】【1997年度 新潟大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 斬新な問題で、一見しただけでは様子がつかめないと思います。 抽象的な関数であり、相当な実力が試されます。 トップレベルの受験生にやらせてみても結構四苦八苦しています。 難問ですが、考え抜いた際の解決に至ったときの感動は大きいと思います。 まずはぜひ考え抜いてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例えば、\(f(1)=f(f(12))=f(f(f(23)))=\cdots\) と ...
放物線上の3点による正三角形【座標平面における角度の扱い】【2004年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2004年度の東京大学理系第1問です。 本問は見た目からするとシンプルな問題なのですが、意外と手こずる相手です。 厄介なことに、ある程度の部分まではスイスイと手が動いていくので、逃げなければいけない問題にも見えず、深追いして時間だけを失いかねない恐ろしさもあります。 実際第1問という位置取りも相まってか、本問に時間をかけすぎて全体の時間配分が狂ってしまったという受験生も多く、沢山の受験生を翻弄した問題として有名です。 (以下ネタ ...
四面体の外接球の存在証明【三脚錐の活用】【2011年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体の外接球の存在を証明させる問題です。 パッと見て思うこととしては 平面バージョン 平面上に三角形 \(ABC\) を考える。 このとき3頂点 \(A\) , \(B\) , \(C\) を同時に通る円が存在する。 という2次元での話です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 2次元での話では言ってみれば、 3点 \(A\) , \(B\) , \(C\) からの距離が等しい点 ...
縦軸回転体の体積【バームクーヘン分割】【2004年度 京都工芸繊維大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 縦軸回転体の体積をシンプルに問いかけている潔い問題です。 もちろん 単調性のある\(y\) 軸回転体の体積については \(\displaystyle\int_{a}^{b}\pi x^{2} dy\) という \(y\) 軸回転体の体積の公式をそのまま使えばいいのですが、単調性のある曲線ばかりではなく、「くり抜き」が必要な問題も多く出題されています。 手際よく処理していくことが求められます。 さすがに \((\lo ...
反転変換【軌跡の有名問題】【2007年度 名古屋大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 表向きは座標の標準問題、あるいは軌跡の問題の標準問題に見えますが、円の反転変換を題材にした問題で、入試においては高い頻度で登場する話題です。 古典的な内容であるため、考え方や流れにおいて、それなりにクセがあります。 特にオチである点 \(Q\) の軌跡については、一歩間違えると「どないすんねん」と身動きがとれなくなってしまいかねません。 逆に勉強してきた人からすれば「いただきます」と美味しく完答できるでしょう。 以 ...
斜軸回転体の体積【傘型積分】【コーン積分】【2006年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 斜軸回転体の体積というテーマ性のある話題です。 通常の \(x\) 軸回転体、\(y\) 軸回転体に加え、マスターしておきたい話題のひとつでしょう。 斜軸回転体の試験場(記述式)での倒し方は次のいずれかです。 斜軸回転体の倒し方 ①:回転軸に対して垂直に切り、変数変換(置換積分) ②:回転軸を回転させて \(x\) 軸に重ねる。 ※ 傘型分割というイキった解法もありますが、順番的には① , ② をきちんとマスターすべきです。 ...
円に内接する正方形の頂点を通る3次曲線【対称性を活用する】【1991年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般性が高い設定のため、文字数が多く、処理をうまくやらないとグチャグチャになってしまいます。 一方で対称性も高い設定ですから、それを活かす方向で処理していくことを考えます。 この対称性をうまく利用しないと、文字の多さだけが残ってしまうという最悪の結果となってしまいます。 対称性を意識しなくても 「あぁ、よくよく考えれば対称性があるな。この結果はそりゃそうか。」 という部分もありますが、意識して処理しないと、処理量が膨らむという要 ...
確率漸化式【除去型:隣り合う領域を異なる色で塗る塗り方】【1996年度 麻布大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) 角地図という独特な言い回しが目につく問題です。 4色定理 境界線で囲まれるいくつかの領域からなる平面図形があり、境界線を共有する隣り合った領域は異なった色で塗らなければならない。 このとき、この平面図形を塗り分けるには4色あれば十分である。 という主張があり、長年未解決問題で、4色問題と呼ばれていました。 現在は解決し、4色定理と呼ばれています。 証明はコンピューターを利用したかなり強引な力業による証明 ...
長方形の数え上げ【階段状の図形内の長方形の個数】【2015年度 奈良県立医科大】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 非常にシンプルな問題で、どことなく「何かうまい方法でできそう」みたいな匂いを感じます。 大学入試と言うよりはむしろパズル的な問題に感じる人もいるかもしれません。 時間に余裕がある家での勉強において、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤する分にはいいのですが、試験場だと頭に血が昇ってしまいやすいでしょう。 本問はどちらかと言うと地道に数え上げていく方針と、閃き一発で終了する方針とが考えられます。 試験場であればこっちの解答かなと思 ...