Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2022/3/24

2022年度 大阪大学 理系第5問【パラメータ曲線の面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線による面積を考える問題です。 話題としては定番の話題であり、方針面で何をしてよいのかが分からないということがあってはなりません。 今回のパラメータ曲線を図示すると   という概形になります。 見づらくて申し訳ないですが、微妙に膨らんでおり、\(x\) 軸に沿って積分していく場合、くり抜きの作業が発生します。 本問の山場は パラメータ表示された曲線の図示 くり抜き作業を伴う積分計算の工夫 ということになります。 ...

2022/3/23

2022年度 大阪大学 理系第4問【縮小関数による漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 縮小関数によって定まる漸化式によって定まる数列の極限を考える問題で、難関大を目指すにあたっては経験を積んでおきたい話題です。 本問は今回のテーマを学ぶにあたって、標準的な内容であり、今後このテーマの例題として様々な教材で扱われるでしょう。 キーワード ①:\(f'\) の範囲 ( 最大・最小 ) ②:\(f(x)=x\)  (不動点の存在) ③:\(a_{n+1}=f(a_{n})\) という漸化式 オチはあらかた決まっていて、③の漸化式と② ...

2022/3/22

2022年度 大阪大学 理系第3問【線分の通過領域】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 線分の通過領域をテーマとする難関大では頻出の話題です。 本サイトでも、 などで扱っています。 この話題に対しては、順像法、逆像法、包絡線など、様々な解法があります。 特に逆像法については、考え方が独特であり、ある程度数をこなし慣れていないと中々自分のものにすることが難しいでしょう。 本サイトでは テーマ別演習:逆像法 で扱っており、通過領域に関しては第3講で扱っています。 通過領域は、話題的に難易度は高いですが、難関大においては登場頻度は高く ...

2022/3/21

2022年度 大阪大学 理系第2問【3次方程式の有理数解】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\cos{n\theta}\) が \(\cos{\theta}\) の \(n\) 次式で表せるという チェビシェフの多項式 という有名ネタをベースとした問題です。 阪大受験生であれば、この類の類題は経験したことがあるとは思います。 流れが独特なところもあるため、経験による部分が大きい問題ではあります。 特に最後のオチの (3) については、 整数係数方程式特有の話題 \(a_{n}x^{n}+a_{n-1}x^{n-1}+ \cdot ...

2022/3/19

2022年度 大阪大学 理系第1問【1次分数変換】【アポロニウスの円】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1次分数変換による点の軌跡を求める定番の話題です。 手元に \(|z-\displaystyle \frac{3}{2}|=r\) という \(z\) を縛っている式があります。 この状況で、\(w\) を縛っている式を Get したいわけです。 \(z\) ,  \(w\) の関係式である \(z+w=zw\) という式から \(z=w の式\) という形にして、先ほどの \(|z-\displaystyle \frac{3}{2}|=r\ ...

2022/3/18

2022年度 名古屋大学 理系数学【総評と感想】

2022年度名古屋大学理系 各解説記事 150分 4題 記述式 と形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:整式の除法 微分法(Ⅱ) 第2問:場合の数・確率 第3問:複素数平面 第4問:微分法・積分法(Ⅲ) 昨年度コロナの配慮により(?)出題されなかった数Ⅲ分野からの出題も復活し、2015年度入試から現行過程に入った複素数平面の本格的な問題がようやく出題されました。 整数や漸化式などの名大頻出のトピックスは見当たりませんでした。 (第2問に若干整数の要素は入ってはいましたが。) 各大問について ...

2022/3/18

2022年度 名古屋大学 理系第4問【抽象関数に関する定積分】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象関数に関する定積分について扱った問題です。 2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。 単純にゴリゴリ進めていく側面の強い微積分分野にあって、本問は機械的に処理する類の問題とは一線を画します。 本問はヒントと思われる誘導が至る所にありますが、多くの受験生はヒントと受け止め切れなかったと思われます。 訊かれていることを本当の意味で理解できた受験生はクリアーできるでしょうが、数は少ないでしょう。 今年 ...

2022/3/17

2022年度 名古屋大学 理系第3問【正六角形の頂点と複素数の対応】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3つの複素数 \(\alpha\) ,  \(\beta\) ,  \(\gamma\) が正六角形の頂点のどれかと対応しており、その対応を考える問題です。 どれがどれに対応するかを求めるという一見面食らう設定ではありますが、適切な誘導がありますから、うまく誘導に乗って走り切りたいところです。 (1) は \(4{\alpha}^{2}-2\alpha \beta+{\beta}^{2}=0\) の両辺を \({\alpha}^{2}\) で ...

2022/3/16

2022年度 名古屋大学 理系第2問【サイコロの目と確率】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって得られる値に関する確率を考える問題です。 この手の問題は、 最終的に愚直に調べきる という方向性となることが多いです。 その際は闇雲に調べるのではなく、 何かを固定して、残りがどうなっているかを考える のが、自然かつ基本です。 例えば、(1) だと \(c=1\) のときは \(a\) ,  \(b\) はどうだろ? \(c=2\) のときは \(a\) ,  \(b\) はどうだろ? というような感じです。 また、サイコ ...

2022/3/14

2022年度 名古屋大学 理系第1問【整式の割り算】【3次方程式の実数解の個数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整式の割り算をベースにした問題で、最後は3次方程式の実数解の個数に帰着します。 2,3年ほど前の凶悪なセットをガンガン出題していた頃からすると拍子抜けしてしまうレベルで、実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。 あまりに捻りがないため、逆に勘繰ってしまいますが、凝ったことをやろうとして時間をかけるよりも愚直に進めた方が得策です。 (1) が (2) のどこかで効いてくるのかと身構え ...

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