複素数の2乗とピタゴラス数【2020年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) とてもシンプルな題意ですが、見かけとは裏腹にとっかかりが見えにくい難問です。 「逆ならいえるのに」という類の問題で論証色が強いため、傷がないように話を進めるとなると神経も使います。 千葉大の整数問題は割と本格的な問題も多いため、試験場では取捨選択も含めた判断がいるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:有理数の設定 ひとまず、 \((a+bi)^{2}=(a^{2}-b^{2})+2abi ...
nのn乗根の極限【1985年度 鹿児島大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sqrt[n]{n}\) の極限についての問題です。 \(\sqrt[n]{n}=n^{\frac{1}{n}}\) ですから、\({\infty}^{0}\) という形の不定形ということになります。 本問は丁寧な誘導がついていますので、その誘導に乗れれば、完答することは難しくはありません。 その誘導自体も定番の不等式なので、経験があれば即沈みます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例題について ...
積分変数の変換【2017年度 富山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(t\) に依存する3次方程式の解 \(\alpha\) , \(\beta\) , \(\gamma\) に関する定積分の値を考える問題です。 完答できるかどうかの差はつきやすい問題で、解決する人はあっという間に解決してしまうと思います。 「簡単な難問」、「難しい易問」という言葉がありますが、どちらかというと個人的には難しい易問だと感じました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(x^{3 ...
アステロイドの射影【ベクトル方程式の活用】【1999年度 お茶の水女子大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) アステロイドに光を当てたときにできる影について考える問題です。 立式さえできれば、曲線の長さという基本的な計算になりますので、この影が表す図形をどのように立式するかがポイントになってきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む イメージ図 ひとまずは問題の図形 \(D\) , \(D'\) のイメージを掴みたいと思います。 図形 \(D\) の境界線が表す曲線を \(C\) , 図形 \(D'\) の境界線が表す曲 ...
周期関数【1999年度 山梨大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 周期関数に関する定義と、それにまつわる基本事項、および周期関数か否かの判断について考える問題です。 例題では誘導も兼ねた基本事項の確認がありますが、類題では周期関数かどうかの判断に焦点が当てられており、基本的にはノーヒントでの判断を要求されます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPD ...
空間における2円【1999年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における2つの円を扱う問題です。 空間の図形問題は苦手意識をもつ受験生も多く、差がつきやすいトピックスでしょう。 本問は題意の把握、把握後の立式、立式後の処理と各ステージで山場があり、完答するためには確かな力が必要となります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 一見、 「ん?どういう状況だ?」 と身構える問題です。 条件 (a) を見た印象としては 「原点中心、半径 \(1\) の球 ...
幾何・座標・ベクトル【解法の選択】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目はベクトルの問題ですが、様々な解法が考えられます。 そのままベクトルで捌くのもいいですし、少し凝った解法で捌いてもよいでしょう。 正攻法に攻めても問題なく捌けるという点は試験場ではありがたいですね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:ベクトル 見た目通りベクトルの問題として捌いていくことを考えてみます。 まず、3点 \(\mathrm{A}\) , \(\mathrm{B}\) , \ ...