2022年度 東北大学 理系第1問【整数の和分割の方法】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数を自然数や非負整数の和の形に分割する方法は割と定番の話題として、単元学習においても触れる話題です。 ただ、本問を一見すると 「ん?奇数?」 と怯むかもしれません。 ただ、正の奇数 \(l\) , \(m\) , \(n\) を \(L\) , \(M\) , \(N\) を非負整数として $$\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} l=2L+1 \\ m=2M+1\\ n=2N+1 \e ...
2022年度 京都大学 理系数学【総評と感想】
2022年度京大理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 対数、確率、整数、ベクトル(幾何)、微積分、数列 と、バランスよく出題されていました。 数学Ⅲからの出題は第5問のみで、比較的ⅠAⅡB中心の出題でした。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目のインパクトが大きい年度絡みの問題です。 対数は普段道具として用いることが多いですが、そもそもは「数」であり、大体どのぐらいの数なのか、それを調べ ...
2022年度 京都大学 理系第6問【漸化式と周期性】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2種類の数列 \(\{x_{n}\}\) , \(\{y_{n}\}\) に対して、その差を取った数列 \(\{x_{n}-y_{n}\}\) の一般項 \(x_{n}-y_{n}\) を求めるという問題です。 \(\{y_{n}\}\) の方は具体的に与えられているので、そこまで恐れる必要はないでしょうが、問題は数列 \(\{x_{n}\}\) の漸化式の方です。 構造上 \(x_{n}\) が分かって、次の \(x_{n+1}\) が求 ...
2022年度 京都大学 理系第5問【面積計算と面積比の評価】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) , (2) は京大受験生であれば確保したい典型的な微積分の問題です。 (1) は実質 \(\displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^{3}x dx\) という積分計算に過ぎません。 (2) も \(f(t)=t\cos^{3}{t}\) と、即立式でき、 \(f'(t)=\cos^{2}{t}(\cos{t}-3t\sin{t})\) となります。 \(3t\sin{t}\) という関数 ...
2022年度 京都大学 理系第4問【四面体の各種考察】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体に関する各種考察問題です。 京大は過去、対称性を意識したような四面体に関する論証を割とよく出題していました。 本問はパッと見ただけでは対称性というのは見えませんが、よくよく観察してみると結構対称性が隠れています。 ただ、本問の場合、機械的にベクトルでゴリゴリ進めていって何の問題もありません。 試験場においても、下手に時間を失うリスクを考えれば確実にベクトルで処理した方がよいと思います。 ベクトルで処理していって処理量が爆発するようだと考 ...
2022年度 京都大学 理系第3問【3整数の最大公約数】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 第3問もシンプルな題意です。 3つの整数の最大公約数をいきなり扱おうとしても中々難しいものがあると思います。 ひとまず2つの最大公約数を考えようとするのが自然でしょう。 そこで、\(n^{2}+2\) と \(n^{4}+2\) の最大公約数 \(G_{n}\) について考えてみます。 \(n^{4}+2=(n^{2}-2)(n^{2}+2)+6\) ですから、ユークリッドの互除法により \(G_{n}\) は \(n^{2}+2\) と \ ...
2022年度 京都大学 理系第2問【距離が2以上離れる3整数についての確率】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 京大らしいシンプルな題意です。 2005年度の京大に類似する設定の過去問があります。 題意を満たす整数の組 \((X \ , \ Y \ , \ Z)\) の個数を数え上げるわけですが、複数の方針が考えられます。 方針1 愚直に数える方針としては \(Y=k\) などと固定すると、 というようなイメージで考え、 \(X\) のとり得る値としては \(1\) から \(k-2\) までの \(k-2\) 通り \(Z\) のとり得る値としては ...
2022年度 京都大学 理系第1問【対数の数値評価】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 年度問題として、見た目のインパクトが大きい問題です。 対数は道具として使うことが多く、 この対数がどれぐらいの大きさなんだろう という対数そのものに対する興味がないと、問題意識がもてないかもしれません。 そういった意味で京大はこういうボディーブローのように受験生が「ウッ」となるところをつついてくるのがうまいですね。 例えば \(\sqrt{2022}\) がどれぐらいの大きさか と言われたときに何をすればよいのかで迷う人はいないでしょう。 そ ...
2022年度 東京大学 理系数学【総評と感想】
2022年度東大理系 各解説記事 150分 6題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 2017 年度を最後に姿を消した確率分野からの出題があり、久々に東大らしい分野のセットとなりました。 近年よく出題されていた複素数平面からの出題はありませんでした。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分で表された関数についての最小値を求める問題です。 方針面でやることは明確であり、計算量自体もそこまで膨らむということもなく、質・量とも ...
2022年度 東京大学理系第6問【点の移動に関する確率】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、威圧感がありますが、ルール自体はそこまで複雑ではありません。 (1) の実験的設問でどこまで核心に迫れるかが問題です。 正直、(1) は愚直に全て書き出してもタカが知れています。 ただ、腕力だと (1) は押し切れても (2) で手詰まりの可能性が高いでしょう。 したがって、完答を目指すのであれば (1) の段階から (2) に繋がるような解き方をする必要があります。 本問は要するに 結局移動の方向は3方向しかない 裏が出ると、 ...