年別アーカイブ:2021年

2021/10/5

正四面体の重心【共線条件と対称性の活用】【1999年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体において、各頂点と対面の重心を結んだ線分は 1 点で交わります。 三角形において、各頂点と対辺の中点を結んだ線分が 1 点で交わり、その点を三角形の重心と呼ぶのに倣って、これを四面体の重心と言います。 \(\mathrm{A}(\vec{a})\) , \(\mathrm{B}(\vec{b})\) ,  \(\mathrm{C}(\vec{c})\) ,  \(\mathrm{D}(\vec{d})\) によってできる四面体の重心 \ ...

2021/11/27

求められない角度の評価【2008年度 九州大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 求められない角度に対してどのようにアプローチするかを考える問題を扱います。 基本的には 等式を諦めて不等式を繋ぐ という態度で臨みます。 今回扱う角度は具体的に口で言うことはできません。 「大体このぐらいの角度である」 というある意味ラフな気持ちが必要です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タッ ...

2022/11/19

有名曲線【デカルトの正葉線】【2015年度 横浜市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) デカルトの正葉線という曲線についての問題です。 項目的には極座標で表された曲線が囲む面積ということになります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 極方程式について 与えられた \(x^{3}-3axy+y^{3}=0\) に \(x=r\cos{\theta}\) ,  \(y=r\sin{\theta}\) を代入すると \(r^{2}\{r(\cos^{3}{\theta}+\sin^{3}{\th ...

2021/10/2

フェルマー数【各種性質】【2006年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問のように、\(n\) を \(0\) 以上の整数として、\(a_{n}=2^{2^{n}}+1\) という形で与えられる数を フェルマー数 と言います。 フェルマー数を小さい方から並べると \(a_{0}=2^{1}+1=3\) \(a_{1}=2^{2}+1=5\) \(a_{2}=2^{4}+1=17\) \(a_{3}=2^{8}+1=257\) \(a_{4}=2^{16}+1=65537\) となり、ここまでは全て素数です。 フ ...

2021/10/1

複素数平面と観察眼【式の観察】【2000年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面を題材とした不等式証明の問題です。 なまじ色々見える分、方針面で右往左往するかもしれません。 実際自分が解いたときもウロチョロしました。 1の累乗根が見える形だったり、「何かあるのか」と思わせる舞台設定です。 本問を完答するためには 計算力 立てた方針で解ききれるかを判断する検証力 トラブルを打開するための観察力 が必要だと思います。 逆に本問はこれらの力を鍛える題材として使える問題だと思います。 もちろん、それらの力をつけるために ...

2021/9/30

3整数に関する不定方程式【難問】【1990年度 早稲田大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな設定でルールはとっかかりやすいのですが、いざやってみるとどこから手を付けたらよいのか途方に暮れる難問です。 実際にこの年の受験生のほとんどが0点だったといういわくつきの問題です。 合否に影響のある問題でないことは確かなのですが、30年経った今でも勉強の糧として使える良問だとも思います。 最初に整数問題の有力方針を確認しておきます。 + クリック(タップ)して基礎を確認する 積の形から約数の拾い上げ 例題:\(x ,  y\) は自然 ...

2021/9/29

通過領域【式で追うか目で追うか】【2004年度 青山学院大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの動点が関わる軌跡や通過領域について捉える問題です。 難易度についてははっきりと差が付くと思います。 何が難しいの?と思う人もいるでしょうし、ドツボに嵌まって身動きが取れなくなる人もいると思います。 本問を選定した理由を述べます。 通過領域というのは本来、目で追っていくことが難しいから式に教えてもらおうという態度でいくことが多いです。 そのあたりのよくある通過領域については で、取り扱っています。 最初にいってしまうと、この問題は式だけで ...

2022/1/11

sinの和とcosの積【和積公式の運用】【2008年度 首都大学東京】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「おっ?」と思うような見た目と構成をしていますが、中身は三角関数の諸公式の運用を試す基本的な問題です。 特に (2) は割と有名な等式です。 一般論に拡張できるような雰囲気を醸し出しておきながら、最後に裏切られてしまうのは何とも言えません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(x+y=\pi\) という従属2変数に関する扱いであり、 基本 1文字消去 を狙っていくのが素直です。 (2 ...

2021/9/27

区分求積法と誤差についての評価【2006年度 芝浦工業大ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 区分求積法に関わる極限を考える問題です。 (1) ,  (2) そのものは教科書の練習問題レベルなのですが、(3) が中々の曲者です。 一見モブキャラに見える (1) ,  (2) を活用するわけなのですが、その活用の仕方が問題です。 誘導設問の結果を利用するのではなく、「なぜこれを考えさせるのか」という設問の意味にまで目を光らせていないと中々とっかかりが見えないと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続き ...

2021/9/26

不等式証明と大小比較【2009年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明と、それを利用する数値の大小比較の問題です。 (1) の不等式証明から結構ハードです。 (2) も (1) の単純な運用では中々うまくいきません。 せめて (1) を利用して (2) だけでもチャチャっと片付けようとした人からすれば「よもやよもや」でしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ひとまず、\(\log{ \ }\) をとりたくなるでしょう。 そうなると \((1 ...

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