年別アーカイブ:2021年

2021/9/25

トレミーの定理【様々な証明】【2011年度 熊本大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) トレミーの定理の証明を問題形式で考えてみます。 本問の (2) の内容がトレミーの定理です。 トレミーの定理は「裏技」的な位置づけで紹介されることが多いです。 今回は「トレミーの定理を使えば早い」といった類の問題ではなく、トレミーの定理そのものを導出することを趣旨とします。 証明はできないけど裏技として使用していた人は、これを機に今後気持ちよく使えるようにしてみてください。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを ...

2021/9/23

tanとフィボナッチ数列【マチンの公式との関連】【2013年度 京都府立医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) tanとフィボナッチ数列が面白く絡んでいる問題を見てみます。 tanとはタンジェントです。炭治郎ではありません。 ただ、全集中で解いてみてください。 筋が悪いと過呼吸になります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 目に優しく \(b_{n}=a_{n}(a_{n+2}+a_{n+1})-a_{n+1}a_{n+2}\) とおき、 \(b_{n}=-(-1)^{n}\) であることを目指します。 つま ...

2021/9/23

増減表の継ぎはぎ【2007年度 東京理科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) たかが微分、されど微分。 難関大受験生にとっては方針面で困ることはないでしょうが、試験場だと頭に血がのぼるタイプの問題です。 「いかに解決するか」というよりも、「いかに落ち着いて整理するか」といった工夫面での勝負となるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 和積公式の証明ですが、加法定理を用いてというのは、難関大受験生にとっては余計なお世話でしょう。 「普段から作っとるわい」 という感想がもて ...

2022/9/26

マチンの公式とその周辺の等式【1987年度 埼玉大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) マチンの公式とその周辺の等式について触れることができる問題を紹介します。 表向きは \(\tan{ \ }\) が絡む整数問題という顔をしています。 背景的なものを抜きにした整数問題として見てもいい訓練となる問題であり、整数問題の実戦的な問題として丁度よいレベルの良問でしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 図示してみると というように、ひとまず角度 \(\alpha\) ,  \(\beta\) ...

2021/9/20

n桁以下の自然数を並べてできる数【1997年度 慶応義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルール自体はシンプルなルールな問題です。 難易度自体も標準的な難易度だと思いますが、 急所を抽出する 抽出した急所を処理する のどちらの力が欠けていても完答は遠のくでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 具体的な場合の検証的設問です。 イメージとしては というイメージを持ち、並んでいる数字の個数が桁数であることを考えると \(1\cdot 9+2 \cdot 90+3 \cdot 900\) ...

2021/9/20

完全順列 攪乱順列 モンモール数【2013年度 成城大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 完全順列、攪乱順列、モンモール数などと呼ばれる話題の問題で、1994年度慶応大、2004年度東工大など類題も多く見られます。 本問のように \(5\) 人といったような具体的な場合であれば、樹形図をかき、腕力で押し切ることも可能でしょう。 (ただ、工夫しないとそれなりの大木になるでしょう。) ただ、ここでは一般的な \(n\) のときでも話が通じる態度である漸化式を立てる方針で考えてみます。 完全順列に対する漸化式の立て方は独特なものがありま ...

2021/9/19

凸数列【数列の増減の判断】【2000年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 凸数列というテーマ性をもった問題です。 発想力か経験値かで言えば、経験値に偏った問題であることは否めませんが、難関大受験生としては一度経験しておきたい話題でしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 最初の一手 与えられた \(x_{k-1}-2x_{k}+x_{k+1} \gt 0\) という条件をどう見るかですが、 \((x_{k+1}-x_{k})-(x_{k}-x_{k-1}) \gt 0\) ...

2021/9/17

漸化式と群数列の融合【2019年度 名古屋市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 得体のしれない漸化式による数列に関して色々考察させる問題です。 本問はその場で考えたり判断する力(その場力)と、それに基づいて立式したものを処理する基礎の運用力のバランスが個人的に素晴らしいと思います。 この問題そのものが今後まんま出題されることを期待はしてはいけませんが、この問題を通じて得られるものが今後の糧となることは十分にあり、演習問題として良問です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 得体のしれ ...

2021/9/16

楕円と双曲線の交点と極限【2005年度 広島大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円と双曲線の交点の座標と極限を絡めた問題です。 基本的な極限計算の運用を試す適度なレベルの問題だと思います。 その思いとは裏腹に入試間近の難関大受験生に解かせてみると、指導者側が想定しているよりもグダグダの受験生が多いことに驚かされます。 なので、結局合否を分けるのは、本問のような標準レベルの問題なのでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 交点の座標は導出可能 今回の題意の交点は $$\begi ...

2021/9/15

離心率【定点と定直線からの距離の比】【2000年度 宇都宮大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次曲線 ( 放物線、楕円、双曲線 ) の統一的な幾何的性質を象徴する「離心率」についてを考える問題です。 離心率の定義は以下のようになります。 定点 \(\mathrm{F}\) と定直線 \(l\) がある。 また、点 \(\mathrm{P}\) から \(l\) へ下ろした垂線の足を \(\mathrm{H}\) とする。 点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{F}\) の距離 \(\mathrm{PF}\)と、 ...

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