有理数で挟まれた有理数の分母【ファレイ数列との絡み】【2014年度 横浜市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) すごくシンプルな題意ですが、やり始めると目が血走るでしょう。 \(\displaystyle \frac{2013}{2014}=0.99950438\cdots\) \(\displaystyle \frac{2014}{2015}=0.99950372\cdots\) としても「こっからどないすんねん」となるだけだと思います。 解答自体はものすごくアッサリ終わります。 解答のボリュームと難易度のギャップは大きく、内容的には経験などでカバー ...
円周上の点で作る三角形【シグマで数える】【2001年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周上の正 \(4n\) 角形の頂点を用いて三角形を作るという、素材としてはよくある問題です。 ただ、素材は定番でも中身はマニュアル的態度で倒す態度の問題ではありません。 「結局こうなっていればいい」 ということを見抜く観察力や洞察力を要する問題です。 最後の最後まで気が抜けない要素も含んでおり、試験場では全体のセット次第で撤退するかどうかの判断に迫られる類の問題でしょう。 難易度的には絶妙な難易度です。 (以下ネタバレ注意) ...
双曲線と幾何的性質【双曲線の各種基本】【2010年度 東京理科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線とその性質について確認する問題です。 本問は 双曲線の焦点についての導出 双曲線の幾何的な性質 双曲線と直線の連立と、その後の処理 双曲線の漸近線 というように、この1問の中でこれだけの各種基本事項を含んでいるコスパの良い標準問題です。 何かいい問題ないかなぁという指導者側からすれば「あ~ざ~す」的問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について:双曲線の焦点の導出 一般に、 双曲線 ...
場合の数と論証【隣り合う隣り合わない問題】【1998年度 大阪市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 順列に関する問題で、数が5個しかないので全部は大変にしても部分的にゴリゴリ押し通していけばできなくはありません。 最後にモノを言うのは基礎の運用ですが、 何を求めればよいのか を要約する「咀嚼力」が求められます。 「何を求めればよいか」に辿り着けるからこそ、次の「どう計算すればよいか」に繋がってきます。 場合の数や確率分野である程度のところで頭打ちになっていて、そこからのブレイクスルーを起こすためには、まさにその部分が必要でしょう。 本問は「 ...
有名曲線【レムニスケート】【2005年度 鹿児島大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) レムニスケート(連珠形)と呼ばれる有名曲線を題材とし、 直交座標表示と極方程式との結びつき 極方程式で表される曲線の面積 について学習します。 正直極方程式はウルサイ議論が多く、記述で抜かりなくまとめるには神経を使うので疲れる分野に感じる人も多いでしょう。 そのあたりについては「方程式」という言葉の意味を噛み砕いていけば、押さえるべき部分というのがある程度は見えると思います。 どうやって解答をまとめようかという「記述のまとめ方」みたいなところ ...
三角関数の直交性【1994年度 九州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数の直交性を基にした問題です。 「関数が直交?どういうこと?」 と思うかもしれません。 このあたりは、より抽象的に定義されるベクトル空間というものを学習しないとピンとこないものがあります。 背伸びをして中途半端に知ったかぶってもロクなことはありませんが、この先大学ではこういう世界が待っているということを垣間見て興味を抱きたいという意欲はWelcomeです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) ...
2^x=x^2の有理数解【曲線と曲線の位置関係】【2015年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{x}=x^{2}\) という指数関数に関する方程式の有理数解を求めるという分かりやすい題意です。 その過程で色々教訓になることを含んでいますので、本問を題材としてその教訓について見ていきたいと思います。 丁寧な誘導がついていますから、問題を解くこと自体は無理がないレベルで入試問題としては標準的な問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 微分するだけと言ってしまえばそれまで ...
サイコロの目による漸化式【2012年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって決まっていく漸化式から得られる値がある範囲内に収まっている確率を求める問題です。 いかにも何かありそうな設定ですが、切り崩すために必要なものは 10%の工夫と90%の泥臭さ です。 この問題のオチは「表向き」と「裏向き」の2種類のオチがあります。 どちらも京大が度々用意するオチです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む この漸化式の構造 今回の \(Y_{n}\) は \(Y_{n}= ...
三角関数の対称式【ノーヒントで解ききる】【2009年度 琉球大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数に関する対称式の問題です。 方針自体は (1) で立式し、(2) でその立式した式の最大最小を考える というシンプルな流れです。 ある程度の力をもった受験生であれば、腕力でねじ伏せること自体はそこまで難しくはないでしょう。 ただ、糧となる工夫についてはぜひとも身につけたい工夫です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると 与えられた状況を図示すると というような図がかけるでしょう。 ...
対偶の威力【1998年度 大阪府立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次不等式の運用に関しての問題ですが、まともにぶつかると泥沼に嵌まる可能性が十分にあります。 一度は泥沼に嵌まるのも悪くはないです。 その経験は今後にむけて大きな糧となると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まともに解くと 条件 \(p\) が \(q\) であるための十分条件ということは 命題 \(p \Rightarrow q\) が真である ということです。 厳密には言葉足らずの部分もあ ...