月別アーカイブ:2021年10月

2021/10/18

極大値と極小値の和・差【対称式・交代式の扱い】【2008年度 南山大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 極大値と極小値の和と差について考える問題です。 工夫の余地もあるトピックスなので、できればそちらも自分の血となり肉となる状態を目指していきたいところです。 ただ、緊張した試験場において何かの拍子でとんでしまっても、真正面から解ききるだけの地力はつけておく必要があります。 要するに欲張って色々勉強したいトピックスと ...

2021/10/17

円に外接する四角形の面積【図形量の最小】【2015年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円に外接する四角形の面積の最小を考える問題です。 テーマとしては「図形量の最大最小」であり、今回は面積を何かしら数式化し、その関数の最小について捉えることになります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 条件(a)について 最低2つあるという直角の位置関係によって、今回は という2パターン考えられます。 変数の導入 大枠としては 長さ 角度 について変数導入の余地があります。 特に、角度を導入するとなると ...

2021/10/16

素数生成多項式【2002年度 慶応義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問にまつわる話としては、オイラーの見つけた \(f(x)=x^{2}+x+41\) という式が有名です。 \(f(0)=41\) \(f(1)=43\) \(f(2)=47\) \(f(3)=53\) というように、素数を生成し続けます。 ただ、これは永遠に素数を生み出し続けるわけではなく、 \(f(40)=40^{2}+40+41=40 (40+1)+41=41^{2}\) となり、合成数も生まれてしまいます。 ただ、結構な長さで素数を生 ...

2021/10/15

3次方程式の解の巡回【2009年度 神戸大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x^{3}-3x+1=0\) という3次方程式の解が \(x^{2}-2\) という2次関数を用いてグルグル巡回するという面白い話題です。 丁寧な誘導があるため、本問を解くこと自体は基礎力があればそこまで難儀ではありませんが、 「こんなカラクリどうやって思いついたのかしら」 という疑問に少しだけお応えするために、本問のカラクリや背景的なものに少しフォーカスしてみたいと思います。 ひとまずは本問を解いてみてください。 (以下ネタバレ注意) ...

2021/10/13

対称的な陰関数【1975年度 帯広畜産大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数の見た目をしており、確かに前半は1の3乗根の基本性質の運用がメインの話題です。 (1) の結論を得て、(2) に取り掛かる際に「ムムっ」となる可能性があります。 範囲的にはグレーゾーンかもしれませんが、余裕があればこういう問題も考えて見るのも一興です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(|z|=1\) という条件から、\(|z|^{2}=1\) ですから、 \(z\bar{z ...

2021/10/12

放物線の平行移動による通過領域【2018年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大お得意の通過領域を絡めた問題で、「動くもの」をどのように数式として立式するかという運用力が求められます。 領域を出すだけでも一苦労なのですが、その後の面積計算においても工夫なしでやろうと思うと少し溜息が出ます。 本問は、上記の運用力に加え、構造を的確にとらえて処理する力を鍛えられると思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 構造の把握 いきなりで分からなかった場合、例えば \(k=1\) などと ...

2021/10/11

離散量の不動点定理【1973年度 名古屋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 離散量の不動点定理と呼ばれる有名な話題を扱います。 計算自体はほとんどありません。 構造を見抜く目と、それを記述しまとめる力が求められます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 題意を噛み砕く まず、問題文で何を言っているのかということをしっかりと把握します。 \(f\) という関数(写像)は「対応」という言葉で読み替えるとシックリくると思います。 イメージ的には というように、 \(1\) を \(1\) から \( ...

2021/10/10

多項式の剰余問題【重解型】【1997年度 文教大】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式を多項式で割ったときの余りについて考える問題で、話題としてはよくあるものです。 その中でも「重解型」という差が付くトピックスを取り上げます。 単元学習の段階ではラスボス的な位置づけの話題だと思います。 ただ、演習段階においては 経験で差が付く標準問題 という位置づけです。 序盤ラスボスと見せかけて、後々モブだったという意味で言えばドラクエⅥで言うムドーのようなものでしょう。 重解型は細かく言えば様々な解法がありますが、ここではよくある方 ...

2024/2/21

ラグランジュの三角恒等式【ド・モアブルの定理の応用】【1971年度 富山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数の和の導出について考える問題です。 少し古い問題ですが、今回の話題を扱うにあたりよい例題ということでもってきました。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ラグランジュの三角恒等式について ラグランジュの三角恒等式 \(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}=\displaystyle \frac{\cos{\displaystyle \frac{n\th ...

2021/10/8

オイラーの定数【調和級数と対数関数の誤差】【2010年度 大阪医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オイラーの定数 \(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\{(1+\displaystyle \frac{1}{2}+\cdots+\displaystyle \frac{1}{n})-\log{n}\}\) は収束し、その極限値 \(\gamma\) は \(\gamma=0.5772\cdots\) という値となり、オイラーの定数と呼ばれる。 という調和級数と対数関数の差に関する極限についての有名トピックスで ...

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