二等分線上の点の位置ベクトル【長さと方向をどう準備するか】【2004年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 二等分線上の点の位置ベクトルをどのように扱うかという問題です。 結局は 長さと方向をいかに準備するか ということにエネルギーを注ぐことになります。 様々な考え方ができ、どれも教訓となる内容を含んでいると思いますので、実戦的な演習として良問です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 分野の選択について 見た目ベクトルの問題ですが、どの分野の問題として考えるかは別問題です。 図形問題の分野の選択 見た目通りベ ...
積分漸化式と極限【積分漸化式の作成】【不定形の解消】【2006年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 積分漸化式の作成からスタートし、その漸化式によって定まる数列についての様々な極限を考える問題です。 積分漸化式の作成法、極限を求める方針決定、不等式評価のポイント、漸化式との絡み、など様々なポイントが凝縮していますから、非常に勉強になる問題です。 ただし、ポイントが沢山あるがゆえに消化不良も起こしやすいので注意しましょう。 理系の現役生にとっては数Ⅲの完成度が合否に大きく影響します。 このぐらいのレベルになってくると、単元学習の段階で学習する ...
3頂点が動いたときの三角形の重心の存在範囲【2006年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな設定ではありますが、簡単ではありません。 分野の選択も含めて、どの道具を駆使して解き進めていくかの判断も求められます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 座標を導入すると まずは、\(A\)\((0 \ , \ 0)\) , \(B\)\((b \ , \ 0)\) , \(C\)\((c \ , \ d)\) などとおいてみます。 \(\overrightarrow{ AP }=p\ov ...
方程式の解に関する極限【視覚化による予想】【不定形の形からの判断】【2019年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方程式の解に関して、様々な考察をさせる良問です。 この年にこの問題を解いたとき、教材として使いたいなと思った記憶があります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 意外と侮れません。 機械的に差を取って微分して \(\cdots\) という態度では、はじき返されるでしょう。 下手に移項せず、\(x^{2n-1}=\cos{x}\) のまま見て、\(y=x^{2n-1}\) , ...
4項間漸化式【変形のココロの理解度を試す】【2005年度 東京医科歯科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は漸化式の処理を真正面から問いかけています。 漸化式の処理の基本については テーマ別演習:漸化式の解法基本パターン で扱っています。 本問はそういった基本をおさえた上で、それを活用できるかという要素が強かったため、「実戦演習」の方で扱います。 (1) について 基本の3項間漸化式です。 これができなかった人は こちらをCHECK を確認してください。 (2) について 「やり方だけ覚えている」という人を跳ね返す問題です。 目的意識をもって ...
シグマ計算基本方針 第6講【二項係数の交代和】【2005年度 山形大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 今回扱うのは二項係数の符号が入れ違いになっている和(交代和)について考えます。 前半部分は第3講で扱った「二項定理の活用」という話題です。 「\((1+x)^{n}\) の展開式を用いて」というのはここまで勉強してきた人からすると正直余計なお世話でしょう。 (ii) の偶数番目だけを取り出したい、奇数番目だけを取り出したい、という問題についても (i) で考えた \(a\) , \(b\) を利用 ...
確率の原則【同様に確からしいとは】【確率では全てのものを区別せよ】【2003年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 決して簡単ではないですが、確率の原則を確認する上で非常にいい問題です。 まず、同様に確からしいということについてです。 同様に確からしいということについて 東大に受かる確率について 受かる or 落ちる の2通りなので、\(\displaystyle \frac{1}{2}\) と聞いて、明らかにおかしいと感じてくれると思います。 当然、この「2通り」の起こりやすさが違うわけです。 全事象(起こり得るすべての根元事象)の起こりやすさが全て等し ...
2種類の数列を並べ替えてできる数列【2004年度 岡山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 典型的な問題ではなく、その場での観察力や、式での翻訳力、見通しをもって解き進める力などの総合的な力が問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 実験して要領を掴むための設問です。 \(a_{1}=2\) , \(a_{2}=5\) , \(a_{3}=10\) , \(a_{4}=17\) , \(a_{5}=26\) , \(\cdots\) \(b_{1}=6\) , ...
漸化式の解法基本パターン 第8講【2種類の連立漸化式への対応】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 第8講では「連立漸化式」を扱います。 連立漸化式の代表的な解法としては2つあります。 連立漸化式の代表的方針 1文字消去 上手い倍率を見つけて辺々操作 それぞれについて見てみます。 1文字消去路線について 今回の (1) を例にとってみます。 消しやすい第2式に注目すれば、\(a_{n}=b_{n+1}-b_{n}\) と見ることができます。 第1式に代入するために番号を 1 つ上げれば ...
漸化式の解法基本パターン 第7講【隣接3項間漸化式への対応】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) このシリーズの一覧はこちら 第7講では3項間漸化式を扱います。 3項間漸化式 $$a_{n+2}+pa_{n+1}+qa_{n}=0$$ この3項間漸化式の狙い筋は 狙い筋 $$a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_{n})$$ という形に変形することで、等比数列の形として処理することです。 つまり、 \(a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1 ...