テーマ別演習 ピタゴラス数

ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】

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ピタゴラス数についてのテーマ別演習第3講です。

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ピタゴラス数 第2講【原始ピタゴラス数の一般解】【1999年度 京都大学】

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ピタゴラス数 第3講【拡張版の等式】【2000年度 横浜国立大学】

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ピタゴラス数 第4講【イェスマノヴィッツ予想】【有名事実】

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今回はピタゴラス数の拡張として

\(a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2}\)

を満たす自然数 \(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) について扱います。

(以下ネタバレ注意)

 

 

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聞かれていることについては第1講で扱った平方剰余に近いものがあります。

そこで、(1) では 3 で割った余りで分類し、3 で割った平方剰余について考えます。

3 で割った平方剰余は 0 または 1 に限られます。

\(a^{2}\) , \(b^{2}\) , \(c^{2}\) を 3 で割った平方剰余のパターンは

\(2 \times 2 \times 2=8\)【通り】

あることになります。

(1) においては \(d^{2} \equiv 0\) (mod 3) という条件がありますから

上記 8パターンのうち、\(a^{2}+b^{2}+c^{2} \equiv 0\) (mod 3) を満たすものを調べることになります。

この程度であれば正面突破できるでしょう。

(2) は偶奇の判定をする必要がありますから、2で割った余りで分類します。

このとき、4 で割った平方剰余が 0 , 1 に限られます。

先ほど同様 \(a^{2}\) , \(b^{2}\) , \(c^{2}\) の平方剰余としてのパターンは

\(2 \times 2 \times 2=8\)【通り】

です。

あとは \(d\) の偶奇を場合分けして (1) 同様に正面突破できると思います。

また、本問の内容とは少しズレますが、最後に、今回扱った \(a^{2}+b^{2}+c^{2}=d^{2}\) という等式を満たす自然数 \(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) について考察してみました。

パッと思いつく作り方としては

\(3^{2}+4^{2}=5^{2}\) \(\cdots\) ① ,  \(5^{2}+12^{2}=13^{2}\)  \(\cdots\) ②

を用意して、① を ② に代入し、

\(3^{2}+4^{2}+12^{2}=13^{2}\)

と作る方法です。

ピタゴラス数が (3 , 4 , 5) ,  (5 , 12 , 13) という2組のように、おしりと頭が同じであれば、作れることになります。

これを「ピタゴラスしりとり」と呼ぶことにします。
(勝手に私が呼んでいるだけで、正式な名称ではありません。)

このピタゴラスしりとりは実は終わることなく続けることができます。

実際、(3 , 4 , 5) ,  (5 , 12 , 13)  の次は  (13 , 84 , 85) となります。

そうなると、\(3^{2}+4^{2}+12^{2}+84^{2}=85^{2}\)  を得ることができます。

ピタゴラスしりとりが終わることなく続くということは

\(a_{1}^{2}+a_{2}^{2}+\cdots +a_{n}^{2}=b^{2}\)

を満たす自然数 \( (a_{1} \ , \ a_{2} \ , \ \cdots \ , \ a_{n} \ , \ b) \) が存在することを意味します。

ピタゴラスしりとりについては【総括】の中で詳しくふれてありますので、興味があればぜひご覧ください。

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